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ちいさい声でさよならしよう。

 大人というのは、どうにも分別くさくていけない。
 ともあれポジティブ思考というのも、なんだかウソ臭くてほとんど本音を隠すために使われている場合も多いのではないか。
 意識の上で明るさを装えば、無意識の領域でかえって抑圧された闇が放置されるようなところがある。

 むりに明るい展望などを笑みを浮かべて空元気で言えば、あとあとむしろ闇がどうしようもなく深くなる。
 むしろ、どこまでも正直であることが、心に訴えてくることの真実はないのだろうか。

 安倍さんを見ていると、厚くなってしまったのは彼の仮面。彼の言う美しい理想は中身に全く印象を残さない空しい「言葉」だけが残った。


 河合隼雄さんの話の中に何度か出て来た話がある。

 ともかくクライアントは、どこかで自立してもらわないといけない。
 最初は医者の側と、ある意味での親密さが育ち、それが頼りとなりもするし、医者も患者に同行するかたちの期間があり、それで患者もある回復への助けになるわけだ。
 が、だんだん居心地がよ過ぎて、かかわり、関係を続けたくなる人情も育つ。
 しかし、いつまでも双方ともそうしているわけにもいかない。

 子供のクライアントとの経験。
 その子が、見る見るよくなって来ている感じがあると、次回会うのも楽しみにもなるし、かわいく感じたりもする。
 けれど、そろそろ終りにしないととも感じる。
 それでいよいよ今回で終りということにする。

 「それじゃ、元気よく明るく、さよならしようね」
 しかし子供は首をふる。
 おや、まだ来たいのかな・・、と内心ちょっと嬉しく思ったりする。

 「じゃ、まだ来る?」と聞く。
 子供はまた首をふる。
 「ん、どうしたいの?」

 その子は答えた。
 「ちいさい声でさよならしよう」

 これには河合さんも感動したそうだ。
Commented by のら at 2007-09-14 19:58 x
安部さん、どうせなら、答弁中に胃潰瘍で血吐いて倒れるぐらいまで
やって欲しかったなぁ。その方がカッコイイと思う。
一国の総理なのに、「覚悟」みたいの感じません。

「ちいさい声でさよならしよう」
オトナはこんな発想できないですよ。
やわらかな発想です♪
Commented by past_light at 2007-09-15 01:52
のらさん、それだとむかしの小説家みたいですね。(笑)

もうひとつかっこいいのは、ぼくから見ると、「すみません、こな大事な時に、体調をくずして、どうにも仕事に差し支えるので、まことに申し訳ありませんが、しばらく入院して来ます」
というのもありだろうか。
それも、小さな声で、消え入るように・・(笑)。
Commented by のら at 2007-09-15 10:44 x
小さな声で詫びて入院しちゃう、それでいて、辞さない。
んー、これこそ究極のマイペース(笑)
これって、弱そうに見えて、そうとうしぶといです!

でも、それをやれたら楽になって、また違う展開に
なってたかもしれませんね。
Commented by past_light at 2007-09-16 01:46
のらさん、なんだかもう安部さんの話題はニュースから消え入りましたね。
次期総理の話題ばかりです。
誰がなっても自民党という体制の中で大きく変わるものはないでしょうが、福田さんは突然流暢で知的な対話能力を発揮していますね。
まあ、もともと総理になりたい野望などを持ち合わせていないということが本当なら、今までより増しな人間性かもしれない(笑)。
by past_light | 2007-09-13 02:06 | ■コラム-Past Light | Trackback | Comments(4)

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