2006年 02月 25日
中身より外見
昔アルバイト先の同僚がいて、彼は獣医を目指していた。
彼は馬が好きで、お気に入りの馬を観に競馬場へ出かけるのが楽しみで、そのためには仙台まで足を運ぶこともあったと言う。
しかし馬券を買うのは一枚だけ。本当にともかく好きな馬を観たさのことなのだ。
ぼくはその頃も今も、たいして馬に関心があるわけでなはいから、向かい合って話をしても退屈しそうだと想像する人が多いだろうかとも思うけれど、若い頃のバイトの関係だから付き合いの期間は短かったが、意外にぼくらは馬が合った(笑)。
ぼくが半分冗談なんだけど、「ジーンズとか長髪とか、そういう恰好だと世の中、先入観とか固定観念でみられやすいから、そういうのをちょっと変えたいとか意識して割と動いている」というような話をしたとき、ぼくは、ありゃあ、ちょっとカッコつけすぎでうそっぽいなあ、と思っていたのに、すごく真面目に感心してくれたのは彼だ。
ぼくは映画の話とか絵の話とか、彼にとってはあまり馴染みのない話ばかりしかできないし、彼にしても、どこそこで、あの馬を見るのが楽しみだとか、愛する馬の・・などなど、ぼくにしても馴染みのない話ばかりなのだけれど。
つまりその時その場に、お互いに相手の話を、とにかくただただ同じレベル、テンションで話し、また聞いてもいた。というそんな不思議な友愛の空気が生まれていたのだ。
彼もぼくも、相手の「愛すること、好きなこと」を話したり聞いたりするという、幸福な空気を共有できたわけだ。
それは、話の中身よりも、外に現れてくるもの、話す人、聞く人のエネルギーとか、大げさに言えば愛のオーラなんだな、つまりぼくらを幸福にしたのは。
by past_light
| 2006-02-25 02:29
| ■コラム-Past Light
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