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運命のグレーゾーン

 だいたい、よかれと思ってやっても、そのまま素直に受け入れてくれるほどこの世界は天使のようなハートの持ち主ばかりがいるわけじゃない。よかれと思わなくても、悪かろうと思いつつ平気でやっている御仁もたくさんいる世界だし。

 それにしても、なにかと残念なのは本筋と全然外れていく世の中の話題だろう。
 なにを言っているかというと、うちのページにも、一応さり気なく張り付けている「ほっとけない」のはなしだ。

 正直いえば、世界にある貧困や避けられるはずの不必要な死。というようなことに注意を喚起する、ということにぼくは共感したのだが。
 サイトを観て、もともとといえば、貧困を身近に感じているアフリカの人が白い布を腕に巻いて意思表示をはじめた。という話に気持ちが動いたからだ。
 しかし、ぼく自身は300円の白いバンドは購入していない。どうしても白いバンドがそんな意思表示として必要と感じるなら、白い布でもするつもりだが、それはリストカットの後などと誤解されそうだから今のところするつもりはない。

 前からよく読ませてもらっているトークコラムの藤原新也さんもなにかとお怒りのようだ。(http://www.fujiwarashinya.com/talk/index.php?page=5 「ホワイトバンドは磁気ネックレスよりかなりキモイぞ」)

 これも正直いえば、ぼくも「ファッション」的に広まるような危倶は感じていた。「アドボカシー」という言葉もぼくは知らなかった。ただ今の世界は善かれ悪しかれなんでも企画力、マーケッティング力、ポピュラー性のあるアイデア、それは力を持つのはわかりきっている。

 昔ビートルズが、インドのある「瞑想」を、アメリカに強力に紹介するようなかたちになったときも、その瞑想が西洋や経済的に豊かな国では「一週間分のその人の給料」みたいなレッスン料を取るようなシステムで広まりはじめた時も、伝統的にはそぐわないそのコマーシャル的な派手さ、その広めかたのシステムが、こととくに発祥のインドではそうとう批判もされたと聞く。
 じつは実際、ぼくは20年以上前に日本で習ったそれは瞑想法で、もうずいぶん前からやらなくなったのだけど、それに関してはちょっとだけディープスロートだ。
 当時はまあ誰もがなんとか払えるような授業料だった。が、今では前にサイトを覗いたら吃驚するようなレッスン料に化けていたので、ちよっとグレーというか、ブルーな気持ちがしたものだ。これじゃエリートサラリーマンとかのストレス解消法にはいいかもしれないが、ビンボー学生や低所得者はちらりと見て素通りするだけだ。それももしかしたら、組織化される素朴な理想が、社会に生き続けるために染まる運命のグレーゾーンかもしれない。

 はなしを白いバンドに戻して、でもやはり、「ボランティア」とか「ファッション」とか、相変らずの批判キーワード。そういうボキャブラリー自体、ぼくにはズレていると思われてならない。それは旧態然とした発想だと思う。古い思考だと思う。
 それから「キモイ」も時流に合い過ぎのどこか攻撃性を感じる。(キモクても別に平気でいていいのだが)

 マッチョというのはボディだけではなくて、精神や思考法にもあるだろう。藤原さんはやはり「マッチョ」なひとだと思う。もちろんそれが魅力なひとだ。駄言として率直に「かっこいい」し、ぼくはへたすれば憧れるような人だろう。
 だから藤原さんの行動も意見も「あっぱれ」だったり、いさぎよかったり、態度は明確だったり、する。コイズミくんもブッシュクンもすっぱりきもちよく切ってくれる。いろいろマスコミやファンに影響力もすごいだろう。
 そんな人にあこがれたり、讃えるのは簡単だ。だけど、それは自分じゃない。あちこちにいるそれほど強くない人でもない。

 昔「ハンガープロジェクト」というところの「世界の貧困を21世紀までになくそう」などというチラシなども読んだ経験があるし、本などでもある程度の情報はわかる。
 そういうことが気になったのも、食料を倉庫で腐らせている国と、全然足りなくて飢えて死ぬ人のいる国が世界にはあって、それは経済うんぬんするよりも人間として恐ろしいことをしているのではないか。という素朴な反応からだ。
 世界がシンプルなハートから、じつはつねに数%の余剰はあるという資源や食料を分配するような懐の深さがあれば、ぼくらは、飢えて死ぬ人が地球にいたのは昔の話だなあと、落ち着いて未来を思えるんじゃないか。たまたまその地区、土地に生まれたから飢えて死んでもしょうがないなんていうのは、もしや自分が次にそこに生まれるとわかれば言えるだろうか。

 テレビで与党のあのよく見る顔の議員が、ジョンレノンの話に噛んだインタビューに答えていて、「普段現実ばかりですから、ラブアンドピース、平和、そういう理想は必要なんです。」みたいなことを言っていて「げっ」と思ったけれど、なにかぼくらは現実という「観念」があるだけで、自ら縛りつけられて、じつは現実に即したことを本当にしていると幻想しているだけじゃないか・・とも思う。

 まとまらないけど、長くなるから取り合えずおわります。
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Commented by paraguas at 2005-12-21 09:30 x
私はホワイトバンドを買いました。素直にこの運動に共感できたからです。募金ではないということも知っていました。
セレブな人たち(そもそもセレブって何ぞや?)が身につけたことで
ファッション感覚とも言われていますが、私は別にそれはそれでいいと
思っていました。人の目に触れる、それ何?これはね・・・と、
話が広がっていくからです。でも、その団体の裏に黒い影があるとか、
その資金がどこに流れているかとか、といった記事を多く見て、
なんだか悲しくなったんですよね。
あたしに何ができるか、そんなのわかりません。
でも、飢餓がなくなればいい。という気持ちは持っています。
それだけじゃあいけないんでしょうかねぇ。
実は。
・・・どこかにぼやきたかったのです(笑)。
まとまらないけど、このへんで終わります。
Commented by thorn_rose at 2005-12-21 17:01 x
はじめまして。
paraguasさんのところから飛んで、時々拝見させていただいています♪

子どもの頃の『お月さま』って、走れば付いてくるし、お父さんに肩車してもらえれば手が届くんじゃないか‥とか‥
で、それでも手が届かなくて、高い煙突に登れば掴めるんじゃないかとか‥
でも、大人になるにつれて、その距離も把握できて、
『すぐには手に掴めない』と解る。
で、せめて足跡を残すためにと膨大な知力と体力や訓練を要して宇宙へ‥
『貧困を失くそう』という命題も、私は『月を手にする』様なものだと思っています。
人類が地球に生息し始めて膨大な時間が流れているけれど、
文化も文明も、そうとう発達しているはずで、ともすれば『爛熟』?
でも、この命題はクリアできません。
だからこそ、の種々の運動だったりスローガンだったり、
そして日本では新手の『アドボカシー』
きっと、そんなことって『お父さんの肩車』だったりするんじゃないか‥
即物的には無駄だけど、けっして無駄ではない‥?
‥とりとめもなく‥ m(_ _)m

署名代わりにURLを記していますが、
不都合な場合は、どうぞ削除されてくださいネ m(_ _)m
Commented by thorn_rose at 2005-12-21 17:06 x
追記ですm(_ _)m
『一人では何もできないけれど、みんなで力を合わせれば‥』
ということと、
『どんな素晴らしい理念や思想も“組織”になった時点でいろんなお荷物で汚れも飾りも付いてしまう』
ということの間で、人々は揺れながら、肯定しながら、批判しながら‥
それでも『親父の肩車』的な『愛や希望』を浴びたり注いだりしながら、
『お月さまを手にしたい』と願い続けるのでは‥
ただ、眺める人あり、実際に宇宙飛行士のように運動をし始める人あり、
中にはその機材でリベートを取ってホクホクするひともいるでしょう。
それでも‥ 月へと向かう気持ち‥
ホワイトバンドも、そんな『宇宙ロケットの外壁の1平方cm』かも‥
そして、白い布も、尾翼の一部‥?
そして、何もしない人も、ジェット気流‥?
そんなものなのでは‥と思っています。
Commented by past_light at 2005-12-21 19:46
paraguasさん、いつもコメントありがとうございます。

セレブって、セレブ島に住んでいる方々かと・・ちがうな(笑)。
だいたいごくごく普通の世界でも、「よさそうなひと」はネもハもない噂がをつくられたりしますからねぇ。
まあ、よさそうな人だったのに・・と事件の後で聞くニュースもよくありますが(笑)。
ことに見渡して商業蚕業マスコミのネタづくりには品格などないのでしょう。
こういうムーブメントは、ひとりひとりが自分で考えましょうということだから、それもまたレッスンだと思えばいいでしょうか。(笑)
Commented by past_light at 2005-12-21 19:54
thorn_rose さん、ありがとうございます。
月を手にする・・で思いますと、月は天にあって手は届かないですけどね、水に映る月を見て人は詩を手にしたりします(笑)。
人間には物体にはならないが気持ちがありますものね。

追記もありがとうございます。
こんなふうに、熱心に思考してくれる気持ちは、もうすでにホワイトバンドの奏でるセッションに、見事叶うものではないのでしょうか。
thorn_rose さんにつられて例え暗号なレスになってしまいました。(^-^;
by past_light | 2005-12-21 03:17 | ■Column Past Light | Trackback | Comments(5)

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