「甘さと純情」

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「・・福永武彦の小説世界は、つまりはぼくが作った総(すべ)ての映画作品の内部に息衝(づ)いているのだと、ぼくはいま自覚する。
甘さと純情から逃れることは、もう一生不可能だと覚悟さえする。・・」

 大林さんのいつも偽らずのまっとうな本音だ。
 どんなににぎやかさに彩られたとしても、かならず孤独がもどってくる。

 それはまるで人の人生の彩りだ。

 「甘さと純情」。この、今ほど耳にすることのない言葉は、どこか異常に渇いた今の世の事件の中にあるものとまるで逆の薫りがする。

「・・『草の花』はつまりは人間と、その願いの象徴たる表現についての、純情というよりはむしろ「純粋」な孤独の書物である。
甘いというより、屹然(きつぜん)として此処(ここ)に在る。(新潮文庫)」

(引用は下記から部分)
この本と出会った】映画作家・大林宣彦 『草の花』福永武彦著
http://www.sankei.co.jp/news/051211/boo014.htm
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by past_light | 2005-12-11 19:45 | ■Column Past Light | Trackback | Comments(0)

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