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夢見る少年の昼と夜

 ウォルト・ディズニーのTV番組が昔ありました。
 要は、ぼくが子供の頃のことだからなあ、低学年の小学生ですよ。
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 これから話すことは不思議な夢のような記憶。記憶しているのは、そのときの衝撃のおかげだし、その記憶もまた夢のようなもの。だいたい科学的に、物理的に信じられないことだから。

  そのディズニー番組は日曜の夜にやっていたと思う。
 父親は外国航路の船に乗っていたので不在の時間が多く、それから小さな弟と母親はよく親戚の家に出かけていて、そのころよくひとりで夜に留守番をしたんだ。でもそれは、ぜんぜん苦痛というものじゃなくて怖くもなくて、平気のへイチャラだったんだ。

 その夜も、当時よく電気を消して見ていた白黒のTV画面に、ぼくは見入っていたんだ。
 そのディズニーの番組というのは、毎週いろんな特集で楽しませてくれたものだ。 人気のアニメだけじゃなくて、世界のいろんな場所の動物やら植物やら・・といった話もたくさんあって、今では子ども向けの番組としては民放では見当たらないようなものだった。
 当時の制作はフィルム主体だし、けっこうそれは映画なみの力の入れようだったんじゃないだろうか。

  その夜のその番組、ひとりで見ていたぼくに、司会の男の人が、ぼくを見つめてこう語りかけて来たんだ。

 「これから、あなたをカラーの世界にお連れします。」

 それはまだ、カラーテレビが、やっと話に聞くだけの頃だったんだ。
 その司会者は「あなたが、白黒TVで御覧でも、今夜の番組はカラーで御覧になれます」と言っていたと、ぼくはずっと記憶しているんだけど。
 やがてはじまったTV番組の画面には、自然の風景、美しい花々のカラー映像が、ありありとぼくの網膜に映ってきたんだ。

 そんな、ばかな話あり得ない、今ではそうも思う。しかし確かにその夜ぼくは、ほんとうにカラー、総天然色で、その番組を堪能したんだ。

 帰ってきた母親に、さっそく、「今日のテレビ、カラーでやったよ!」と、興奮して言ったことを覚えている。

 この夜の番組は、ほんとうにいったい実在していたんでしょうか。それともカラーで見せてくれた司会者の言葉は、少年のぼくの幻聴・妄想でしょうか。

 ・・後になって想像してみるのです・・司会者の彼は、もしかしてそのころアメリカで少し市場に出始めたカラーテレビの番組用の映像を紹介したのかもしれない。 いや、あの司会者はあの日、視聴者のぼくらを催眠術にかけて、網膜の科学を実験してみせたのかもしれない。
 それともぼくが、彼の言葉を信じて自己催眠をかけたのか、あるいは超能力的な視覚を一時目覚めさせたのかも知れない。それは夢をカラーで見るような時間だったのかも知れない。

 もしも、はるかむかし・・、同じ番組を御覧になったと記憶されている方は、どうぞ夢見る少年に会ったら、教えてあげてください。
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Commented by santapapa at 2004-12-03 23:05
なつかしいですね。「ディズニー・ランド」という番組でしたっけ?オープニングが城の周りを燐粉(^^;を振りまきながらテインカー・ベルが飛び回るオープニングだったような。九州では日曜の午前中にやってたような気がします。
残念ながらその回の放送は覚えていませんが、当時はTVも、8ミリも、写真も、確実に白黒に色を感じながら見ていたと思います。白黒だけど脳内補間で「色彩感」はあった気がしますね。
『芭[口拉]芭[口拉]櫻の花/Para Para Sakura』という撮影監督出身の馬楚成が監督している香港映画があるのですが、郭富城扮する主人公は生まれつき色覚がないのにヒロインと出会ってから人生に「色」を感じるようになるという少し温まるその映画を思い出しました。
Commented by past_light at 2004-12-04 02:01
santapapaさん、九州でしたか。意やぼくも育ちは九州で、長崎では夜にやってましたよ。7似とか時半とかだったと思います。
オープニング、そうそうあのディズニー仕様でしたね。
あの時代には、ああいう映像は夢の希望の象徴みたいな気がしたものです。

>白黒だけど脳内補間で「色彩感」はあった気がしますね。
そうですね、的確な情報だと思います。
たぶんその夜の少年の感性はとくに優れていたんでしょう(笑)。

>馬楚成が監督している香港映画
なんだか素敵なハナシみたいですね。
機会があったら観てみたいと思います。
安吾も言ってたようですが、恋は人生の花ですもの。
Commented by past_light at 2004-12-04 02:02
なんだか誤字が多くて住みません(笑)。
Commented by kazetoutau at 2004-12-04 17:35
はじめまして  ディズニーの番組、かすかに覚えています。それが同じ番組かどうか定かではないのですが、司会はウォルト・ディズニー本人が「皆さんをカラーの世界に・・・・」って言っていたような気がするのです。
そしてたしかにティン・カーベルが飛んでいた。万華鏡の世界が映し出されて、私もカラーで記憶しています。だけどやっぱりその頃我が家には白黒テレビしかなかったのです。

きっと子どもの純粋な目にはカラーに映ったのかなって想っています。
Commented by past_light at 2004-12-05 03:29
kazetoutauさん、コメントありがとうございます。

はじめまして。そうですか、いやあ、この番組の話を覚えていた方がいらっしゃってうれしいです。はじめて出会いましたよ。
たぶん、間違いないでしょうね。ディズニー本人が司会をしていましたね。

やはり、 kazetoutauさんもカラーで御覧になられた一人なんですね。
そういえば、オープニングにしても今にして思えばカラーで記憶しているようなところがありますね。
その後、カラーになったディズニーを観た記憶が重なるせいもあるのかも知れませんが。

子どもの頃の敏感な感性、今になるととても新鮮な時間が多かったようですね。
・・というようななると、ちよっと老け込んだと言うことかな(笑)。
by past_light | 2004-12-02 20:30 | ■Column Past Light | Trackback | Comments(5)

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