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どうしてしからないの?

映画監督の大林さんの新書の冊子にあった話。
記憶で書くから細部は曖昧ですし不正確ですが、おおよそこんな話です。
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大林さんが乗っていた電車でのはなし。
つり革に掴まっている大林さんの前の座席に、小さな子どもが靴を履いたままシートに膝をついて外の景色を観ていた。となりに身なりの良い老人が、こっくりこっくりとしていた。
その子どもの靴が、時折老人のズボンの腿のあたりに触れて老人のズボンが汚れていた。
それに気づいた子どもは坐り直して、前に立っている大林さんの顔をじっと見た。
その子に大林さんは、「おじいさんが起きたら、ごめんなさいって言おうね」と言ったら、子どもはうんとちいさく頷いた。

そうしたら、子どもの隣で雑誌に読みふけっていたかの母親が、「家の子に変なことを言わないでください」と大林さんを睨みつけたそうだ。

これだけなら、現代のやるせないはなしで、何となくありそうな光景だが、その後が興味深い。
子どもは母親の顔をまじまじと見つめ、「どうしてママはぼくを叱らないの」と言ったという。
ばつの悪いかの母親は、再び雑誌の方に目を移し、つぎの駅で子どもの手を引っ張り、そそくさと降りて行った。
子どもは大林さんの方を振り返り振り返り、心に何かを残したままのような表情に見えた。
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読んでいて、本来子どもは、まだあるバランス感覚というか、良心というか、それが正常であり、本能的に働くものかもしれない。
実はそれを壊しているのは、なにかやはり大人社会とか親の方じゃないかという、なんともな後味の話である。

これは今日訊いた話したが、スーパーでのこと。
陳列してあるかわいい手袋を引っ張りだし、いじっている小さな女の子。
母親はまだ20代前半の若い母親のようだ。彼女はそこでどう叱ったかというと・・、
「ほら、この子はまだここに居たいんだって、だから戻してあげましょうね」
とその子に戻させていたという。

賢いママですね。ファンタジーがある。
冗談ですけど、たとえばあなたのお子さんが、うっとりするおもちゃの山の前で、・・これ使えますね(笑)。
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Commented by のら at 2009-12-08 18:27 x
電車の子、素直に育って欲しいなぁ。
大林監督、スーパーのお母さん・・・なるほど、愛情のある叱り方というのは、こういうことなんだなぁ・・、と思いますね。
Commented by past_light at 2009-12-09 00:13
>のらさん
こういう話を聞くと、しかり方というのも、しかる人の智慧とか人格とか品格とか出るものだなというのがわかりますね。
どこかで見た、単に「体罰が必要か、どうか」なんて話題がアホに見えます。
Commented by さすらい at 2009-12-09 00:17 x
 よその子の間違ったことをみても、見ないふりをして通り過ぎて行くお母さんが多いという話題が出たことがありました。どうしてしからなかったのか聞いたら、「そんなことをしたら、電話でその子の母親からねじ込まれるのでうっかりよその子には声をかけられません。」という答えでした。これは1980年代の話。逆に、自販機にいたずらしていた子を引きずって学校まで乗り込んで職員室に「子どものしつけはどうなっているんだ。」と怒鳴り込んだ地域のおじさん。これは1970年代前半の話。どこかから変わってきました。子どもはみんなで育てるという暗黙のコンセンサスが失われてきたと思います。大人の側の問題で、子どもは被害者といえますね。
Commented by past_light at 2009-12-09 17:13
「よその人に声をかけられても・・・」というのも時代が変わって生まれたものですね。
最近気づいたのは、逆に突然に道すがら、「こんにちは」と挨拶する見知らぬ子どもがいる事です(笑)。
これも対処法のテクニックのひとつなのか・・と複雑でしたね。
Commented by ナカムラユエ at 2009-12-09 22:11 x
図書館で勤めていたとき、子どもが騒ぎ出すと、「図書館の人に怒られるから静かにしなさい」と言う親が少なからずいました。
自分の子どもを注意できるだけまだいいとは思いますが、注意の仕方にも注意が必要ですね。
Commented by past_light at 2009-12-10 01:30
>ナカムラユエさん
なるほど。。それは現代の重要なもうひとつの現象ですね。
そういえば、公園で猫を追いかけている子に注意すると,側に居た母親が同じように「ほら、おじさんに怒られるから・・」と言いますねぇ(笑)
どうも自分の責任で、当たり前に目の前の出来事に対しての、叱るという感覚が欠落している感じですね。
これ、けっこう重大なことかもしれない。。
Commented by さすらい at 2009-12-10 16:37 x
江戸時代末期に日本人を観察した外国人の感想の中に、子どもへの対応について記したものがありました。「西欧人に比べると、日本人は体罰にたよらない。子どもをとてもかわいがるし、叱るときも、教え諭すやり方をする」とあったとおぼえています。私の子どものときは、「おまわりさんに言いつけるよ」というしかり方」があった記憶があります。それに、地域が生きていたので、地域の怖いおじさんがいたような気もします。1972年頃の保護者会では、「あんたのとこの子勝手に人の家の冷蔵庫をあけるから叱っておいたわよ。」「ありがとう。私の見えないところでそうやって叱ってもらえて安心だわ。」といった会話もまだ生きていました。
Commented by past_light at 2009-12-10 21:19
>「あんたのとこの子勝手に人の家の冷蔵庫をあけるから叱っておいたわよ。」
「ありがとう。私の見えないところでそうやって叱ってもらえて安心だわ。」

というの、すごく温度感じます。
冬だからかな(笑)・・。
Commented by さすらい at 2009-12-18 01:37 x
大勢の中で、笑ってそういう会話が交わせる時代だったのです。自分の見えるところは自分が対応し、自分がいないところはよその人が対応してくれる、そういう発想は、若かった私にはとても新鮮でした。
Commented by past_light at 2009-12-19 16:24
そういえば、母親たちに限らず,子どもの頃に見た光景は、他所の子を当たり前に叱るオヤジたちの存在感でしたね。
Commented by さすらい at 2009-12-24 03:53 x
いまは、「知らない人と口をいてはいけませんよ」というしつけの時代でする。昔だったらこどもに昔話をするめいぶつおじさんも、今も、「変なおじさん」になってしまいます。難しい時代です。
Commented by さすらい at 2009-12-27 02:06 x
 男の先生は、女の子をほめて頭をなでるのもセクハラよばわりすされるからやめよという管理職がいました。
「どうなっている中国むという本で、一人っ子政策で甘やかされて育った中国の子どもが「小皇帝」と呼ばれている話がありました。あの国はちかい将来高齢化社会に突入し、日本以上ひどい状況になるという予想がありました。(小皇帝に希望者がなくて)虎の子の人民解放国に入る子もなくなる可能性があるとか。
Commented by past_light at 2009-12-28 02:39
そうですね、予想できないこともありますね、中国もたいへんですね。
若い人に国粋的なヒトが多いのがなんだか日本の最近と似ています。
Commented by さすらい at 2009-12-31 16:07 x
 中国は天安門事件以後の教育体制と、マスメディアの統制が大きかったのではないでしょうか。「外敵」を強調することはよく使われる手です。
by past_light | 2009-12-08 16:35 | ■Column Past Light | Trackback | Comments(14)

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