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「父と暮らせば」 黒木和雄監督

井上ひさしという人の力も、この原作・戯曲のすごさも、あらためて知らされたような気がする。
それが背景にあり生まれたとしても、やはり映画としても素晴らしい作品。
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この映画を観ていても、舞台劇としてもきっと素晴らしいものだろうと確信される。
親子二人の広島弁による対話が美しく、しかも深いやりとりばかりで、胸が熱く詰まる。
静謐な背景,場面、静かに映される映像が控えめだからこそ、主題が深く内省的に我々に届く気がする。

黒木監督は映画化を井上さんにお願いするにあたり、映画になれば、「世界に観てもらえる」と快諾を得たそうだ。
それはできあがったこの映画を観て納得されたことだろうと思う。

ぼくとしては、今、現在として、観ていて思わないでいられなかったのだが、原爆と原発を同列に話すと笑う人々がいると思う。が、あえて置き換えても自然と思われるのではないかと感じた。
生物として、人として,命ということを考えれば、むしろつながりを感じての反応は正常ではないかと。

それを、恐ろしさを、肚に真に感じた者、経験したその後の人間の誠実な精神の反応は、この親子ときっと同じだと思う。過去の話ではなく、我々自身に常に問いかけられている命の核心に触れるものだ。

素晴らしい脚本を得た配役としての、宮沢りえも、故・原田芳雄も、代表作になるしかないと身震いの出る濃密な時間だった。
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by past_light | 2011-08-29 03:15 | ■主に映画の話題 | Trackback | Comments(2)

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