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五月のネコ(2)

「やがて、わたしは季節を知り、喜びも忍耐も、そしてユーモアさえ知ることになった」
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by past_light | 2005-05-29 00:11 | ■Column Past Light | Trackback | Comments(2)

五月のネコ

「わたしはいつかしらこの地上に立ち、それからゆっくりと、わたしのまわりの世界となじみはじめた」
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by past_light | 2005-05-28 18:22 | ■Column Past Light | Trackback(1) | Comments(0)

スローライフ・イン・トーキョー(2)

 大きな犬を連れた老人が散歩していた。
 犬は飼主の老人と共に長く生きて来たのだろうラブラドールで、おとなしくやさしい目をしていた。

  雨の上がったばかりの翌日で、公園の土も草もまだすっかり湿っていて、近くを流れる川の水は土色に濁っていた。


b0019960_2105149.jpg  老人は犬とともに近くのベンチにしばらく腰掛けていた。そしてやがてまた犬と歩き始めようと湿った土の上に足を運んだ。

 だが、すぐに犬は先を急ぐのをむずがって、湿った土の上にまたも身を伏せて寝転んでしまった。
 日陰の濡れた土の上は冷たくて気持ちがいいのだろうか。

  多くの飼主の散歩を目にする。よく見る光景といえば、犬を繋いだひもをひっぱり強引に先へ進めようとするのだが、その老人は違っていた。それはちょっと意外な光景だった。
 犬をとがめる様子もなく、手に下げた紙袋からビニールを取り出し、その濡れた土の上に敷いてから犬のそばにまた老人も座ったのだった。

 そしてふたりは静かにしばらくの間そこにいた。
 夕暮れが近づいていた。
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by past_light | 2005-05-23 21:08 | ■Column Past Light | Trackback | Comments(0)

スローライフ・イン・トーキョー

 「もうね、三十年来てるんよ、わたし」

 おじいさんは池の鯉に餌をやる。
 自転車の前の篭に積んだ黒い鞄から、パンの耳をひとつかみ、池に投げる。

 おじいさんの笑顔に誘われるように立ち止まった親子が、おじいさんと立ち話している。いや、じつは子供の方は早く移動したがってあたりを小走りに円を描いているのだが。

 「もうね、三十年」
 「千匹いるよ」
 「ここ昔は個人の土地だったのよ」
 「変わりましたか」
 「そうね・・」

b0019960_22511962.jpg 緑濃くなった木陰の下のベンチから池をながめていたぼくに、大きな声で話すおじいさんのその言葉が気持ちよく耳に届いてきた。

 おじいさんは歳のわりには派手な赤いチェックのネルのシャツを着ていて、とても痩せていて眼鏡をかけている。

 おじいさんの自転車はがっしりしたタイプだ。
 がま口のようにぱっかりと大きく開いた黒い鞄から、つかみとったパンの耳を手にとったまま、池に投げるのはやがてお留守になり、話の方に力が入る。
 聴いていると、その言葉のイントネーションから、おじいさんは中国あたりから来て日本に住むことになったような感じがする。

 おじいさんは、その親子と別れ際に「また会いましょう」と声をかけた。

 おじいさんはパンの耳を池に投げ込みながらも背後を振り返り、歩きすぎる人に声をかける。
 「こんにちは」

 犬を連れたオジサンが「このあいだはどうも」とおじいさんに挨拶する。
 犬はおじいさんに近づきたがって前足立っている。
 近寄っておじいさんはパンの耳を犬の足元にパラパラと捲いた。それを犬は嬉しそうにガツガツと食べる。

 「ああ、またすみません」とオジサンは少し照れて犬が食べ終わるのを待つ。
 「こいつ覚えてるんですよね」
 「へへっ」

  それからあとも、おじいさんは近くに歩いて来た人たちのすべてに「こんにちは」と声をかけている。
 なんだか新鮮な響きだ。
 でもびっくりして、おじいさんを見ただけでそのまま通り過ぎる人もいる。
 でも中には「何がいるんですか」と近寄ってくれる人もいる。

 「鯉よ」「千匹いるよ」・・。
 そして、「もうね、三十年よ・・」と、またしばしの会話が始まる。

  それは、あるいはもちろん、一期一会かもしれない。そんな一時だ。

  五月も半ばになろうとする、爽やかな陽差しの午後の日のことでした。
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by past_light | 2005-05-13 22:53 | ■Column Past Light | Trackback | Comments(0)

First of May♪・・「小さな恋のメロディ」

 まだ10代だったころのこと、五月は今よりももっと好きな季節だった。噂に聞く五月病なんて信じられない時期だった。しかし時がたくさん過ぎて、いつか、そんな季節と裏腹のような気分というのはよくわかるようにもなった。それがメランコリーとかアンニュイというようなニュアンスで語れる内はいいが、病気だと大変だね。


 その、10代もそろそろ数年で終り、という日々の中で観た映画のなかに「小さな恋のメロディ」がある。

 そのころ繰り返して観た映画のひとつ。気恥ずかしくて人に好きだと言えないという人のハナシも聞いた。
 当時、何度目かのその映画に友だちを誘ったら、同行した彼は上映終了後、「こんな子供っぽいものを・・」と言った。彼はいわゆる「大人」の世界に足を踏み込んでいるつもりの時期だったんだろう。哀しいハナシさ。

 ところで、この映画のみずみずしい映像と、登場する子供たちは、なによりも「自由」を人生は必要とするのだ、という気持ちにさせる、そんな輝きに満ちていた。
 それから、そのころまだヒッピームーブメント、それからイッピームーブメント、そんななごりもあり、ジェリー・ルービンの「Do it!」という言葉を引き合いに出した人もいるだろう、「生」へラジカルに奔放に突き進もうというエネルギーが感じられた。

 イギリスという国のいろんな味が骨付きハム・・(映画を観た人は覚えているだろう)のように感じられる、街と生活者のリアルさもある。

 それから切り離せないのは、ビージーズの歌だ。
 まるでこの映画のために、それはもともと書かれてあったかと思わせるようなサウンドトラックで、それ以前にはそんな現象は映画の世界でもなかっただろう。
 ずっと後の・・「サタデーナイトフィーバー」のそれとはちょっと次元が違うというような、それは何年たっても色褪せることのないようなメロディだ。

 ♪「in the Morning」
 この映画のオープニングシーンは、いまだ新鮮な朝の目覚めと空気を感じさせる。こんなわくわく感を、擦れきれた大人で終わらないように思いだしつつ大事にしたいものだ。

 ダニーもメロディもオンショーも・・・もう僕らと同じように大人になった。
♪First of May--五月の初めになると思い出す映画「小さな恋のメロディ」。
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by past_light | 2005-05-04 21:55 | ■主に映画の話題 | Trackback(1) | Comments(0)

過去と現在、記憶のコラム。関連ありなTBはラヴリー。リンクはフリー。コメントはブラボー。


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