ブログトップ
<   2005年 04月 ( 5 )   > この月の画像一覧
「ハルジオン、ヒメジョン」
 五月向かうこの時期、思いだす光景だ。
b0019960_181824.jpg
 川沿の狭い道を、そのまま、ずううっと、何十分か自転車で行くと、その川に沿うように長く続く公園がある。しばらくぶりにそこへ自転車を走らせた日のこと。
 公園は緑が深くなりつつあり、また桜の頃とは違った空気の匂いを充満させていた。 緑の色を深くした木々の中というのは、ぜいたくな環境なんだと改めて思う。
 それから木々の下の土に目をやれば、陽光に照らされた草むらには雑草花の控えめな色がある。

 途中、同じく自転車で前を行く家族に前をふさがれ、スピードを落とさなくてはならなかった。
 自転車一台がやっと通れる狭い道だから追い抜くわけにはいかない。新たに道路と交わる橋に出るまではしかたない。
 ところが実は、ぼくはその家族を見ているとなんだか可笑しかった。それはそんないわばほのぼのとした、五月の温度のある光景だった。

 一番最後を行くママチャリの奥さんらしき人は、胸に眠る子供を抱いて走っている。 奥さんの前方には、ふたりの男の子が子供用の自転車で走る。そして先頭はまぎれもなくお父さんだ。そのお父さんは、しっかりサイクリングな出でたちでさっそうとし、後ろの家族をあまり気にしているとは思えない。唯我独尊、とにかくファッションとしてもひとりだけ一番サイクリングスタイルとして整っている。子供たちはまあ普段着でこれは普通だろう。
 ・・・しかし最後尾を行く奥さんは、台所からそのまま飛び出してきたかのようじゃないか。

 「おい、早くしろ」と玄関先でお父さんに言われて、慌てて満足に支度もできず、一番小さな子供を胸に抱きかかえてベルトで縛り、ママチャリに飛び乗り家族の後を追い掛けて来たのだろう。
 必死に家族の後を追って行く部屋着さながらの奥さん。
 それを見ていると、なんとまあ女性はやはり強しなのだ、と妙に感動したりした。  もちろんフェミニズムからいえば遠い話なのだが。

 それは雑草花のような家族だった。というと失礼かな。だがけして誤解を受けそうな意味じゃないということは分かってもらえるだろうな。
 ああ、幸せって何んだろう?  ということか。
[PR]
by past_light | 2005-04-26 20:51 | ■Column Past Light | Trackback | Comments(0)
展示会のための御案内です。
★Children's Corner Plus

「テディベア、リラックスアート、ワイヤーワークス
三人のコラボレーションによる展示会です。」

■場所 > 松屋 銀座 7F スタイルコレクション イベントスペース
( 京橋側 下りエスカレーター前 )
・営業時間 > 午前10時一午後8時 (月)・(火)は7時半まで、(金)は9時まで
*4月28日(木)は9時まで 29日(金)は8時まで 5月2日(月)・3日(火)は8時まで

■期間 > 4月19日(火曜日)〜5月9日(月曜日)  (9日は5:00まで)

御案内の画像

銀座お近くにお立ち寄りの際は、覗いて下さい。
[PR]
by past_light | 2005-04-17 19:35 | ■ちょっとミニメモ | Trackback | Comments(0)
Spring Memory
 もうもうまたまた、むかしかむかしのはなしだが。

 結婚というかたちもなにも、頭の中になかった。気がつくと一緒に住むことになった。そのまま今まで無事にか無駄にか、そのかたちの生活は続いている。
 そういう事を話すとびっくりしたり、感心したりする人もいる時代なのだろうか。盛大な結婚式に多額のお金を注ぎ込み、それでいて数年後には別々に暮らしている人も多くなった時代だからかどうか。

b0019960_13312688.jpg 男だからというわけではなく、結婚式というかたちのセレモニーを憧れるなんていう脳丸なタイプではないから、そういうことにお金を注ぎ込むという気持ちさえ分ろうという考えなど、はなからないやつだぼくは。ま〜だ今になっても危脳丸だ。

 女性だとよくそんな憧れは当然のようにあって当り前なのかと思えば、意外にそういう女性ばかりではないだろう。しかし親の面目のため、世間体のため、勤め先の信用のため・・等々、理屈はいろいろ聞く。まあ、それも楽しみという価値観なら、もっと真剣にその後の結婚生活を頑張れよといいたくなるのがいつわりなき本音だ。

 数千円の買物さえ二人で相談して買いに行った。なかでも3000円ぐらいしかしなかったと思うけど、電気スタンドを店の中で選ぶ光景が記憶にあるくらいだから、清く貧しく美しく、の貧しくだけは地で行っていたのだと思う。それは何年過ぎてもそのまま適用できそうだが。
 もちろん新婚旅行なども予定すら立てなかったから、なんとなく箱根に行き、彫刻の森美術館で一日楽しんで、旅館を見つけて一晩泊まった。
 慣れない旅館の記帳で、奥さんの名前を間違えて書いたりした。女中さんは笑いをこらえていた。
 珈琲を頼んだら、持って来てくれたのはインスタントとすぐにわかる香りだった。それでもなんとなく贅沢をした気分だった。大風呂にも人が少なくてそれも楽しかった。

b0019960_1331421.jpg バブルなんて時代でもとくに景気がよかった記憶などもない。それよりも時代がバブル景気なのだと知ったのはもしかしたらバブルがはじけてからかもしれない。

 拾った猫を飼ってからは、ふた月ほどして、いったん泣く泣く親切な方に引き取ってもらったその数日後、猫を飼えそうな物件を捜して来た奥さん。そして猫を返して頂いた。
 その方は数日の付き合いでも淋しがったくれた。
 声が枯れた猫はホッとしたのか、急な引っ越しにもぼくらを信用して驚かなかった。
 そうしてアパートから引越したその先は、お妾さん用に建てたのだと隣のオバサンに聞いた小さなボロい一軒家。猫は以前から住んでいたみたいに家とそのまわりを楽しみ喜び、いきいきと遊びはじめた。
 縁側にひなたぼっこする猫を眺めていると気持ちがほぐれた。当時の猫とそこで12年間を過ごし、ぼくらの青春も過ぎ去っていった。当時の猫は16年生きてくれた。
 
 それから二度引っ越しをして、この今の場所で今年も春を迎えた。三匹めの猫を先日見送り、猫のひなたぼっこする姿もいつもの視界からついに消えた。

 人の悲しみとか苦しみとか、この世に耐えないのが不思議にさえ思わせるほど今年の桜の花の色は鮮やかで、春の、この光の中の、この瞬間は貴い。

 何年か前に七十で亡くなった友人の女性は、71回目の春を前にして骨になった。
 生まれてから何日間生きているかを数字で見せてくれるバイオリズムソフトがあった。人の一生もせいぜい2万日あまり前後が平均的だろうか。考えれば、とても短く感じる。これほど一日が大切なのかとも。そのわりにはその気持ちを持続させるには、なにかぼくの感性のピントは、どこかずれたままのようでもある。

 ベルナルド・ベルトリッチの「シェルタリングスカイ」という映画があり、原作者のポール・ボールズが終りにカフェで登場しナレーションが流れる。
 「人は何度、夏を迎えることができるというのだろうか」

(写真は今年の桜だい)
[PR]
by past_light | 2005-04-10 13:49 | ■Column Past Light | Trackback | Comments(2)
桜の、その
 「桜の園」という日本映画では、映画に映るはずの桜はほとんど記憶がないのに、登場する女子高生達が学校で過ごす一日、その春の午後特有の空気に包まれた、その流れる時間のなかで、そののんびりとしたリズムと、むずむずするようなけだるさとに同調する彼女たちのその肉体の、眠りを装いつつ、その秘めた官能の呼吸がっ、、「おおっ!・・乙女〜っ」と唸る味わいだった。

b0019960_2194113.jpg 桜、満開になりました。
 今年はまだ写真は撮っていないので、昨年の桜だ。

 玉の輿にのって、幸せに別れを迎えた二度と会うことのないだろう「マロン」との、昨年の黄金時代をも思い浮かべつつ・・。
 「さくら、おにいちゃんだよ」。

 この時期、花粉症のひどい人には辛い時期でもあるようです。しかし、そういう話題が多くなったのはいつ頃からか。ぼくなどが田舎暮しの少年時代をふりかえれば、花粉症という名前さえしらなかったような感じだった。

 東京に出て来て数年、若さと春の蜜月の、昔むかしに読んだ劇画の中に登場したその名前は、まるでひどい難病のような登場の仕方だった。
 その症状に苦しむ登場人物の女性は、この時期、部屋の中にいてもマスクをはずせない。外出は控えなくてはならず、「結婚できない・・」なんて話でしたから、こりゃ大変な病気だな〜と思ったものだ。彼女は花を愛でることはできず、水中花を愛した。

 そういうことで察すると、この病名とその詳細は、原作者にも謎のような、まだそんな時期だったんでしょうかねぇ。

 ちなみに、ぼくは春よりも秋のブタ草に反応し、鼻水とくしゃみはそれまでおあづけです。
[PR]
by past_light | 2005-04-08 02:21 | ■Column Past Light | Trackback | Comments(0)
変な変化
 ここしばらく山田太一的ドラマのような人間関係に恵まれて妙に刺激的な日々だった。
 そろそろ落ち着くだろう。いや落ち着きたい。(笑)

 謎みたいな報告ですが、市民探偵ドラマのさわりみたいなものです。たぶん、かなり豊かな想像力の妄想まじりの。
 内容はないようかも知れないので。
[PR]
by past_light | 2005-04-03 02:21 | ■Column Past Light | Trackback | Comments(0)