2007年 04月 01日 ( 1 )

猫に会うおとこ

ある日、おとこは一匹の野良猫に会った
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こんにちは
こんにちは

猫がしゃべるなんて、はじめてだな

たまにはいいいだろう

こんな機会はざらにないから、聞きたいんだけど

なにを聞きたいの

どうして猫になったんだい、しかも野良猫

そんなこと覚えてないよ だけど何千回か生きてきたと思う

ずっと猫だったの

にんげんだったこともあるよ

今度はどうしてまた猫なの

なんだかきっと悲しかったんだと思う

人間がかい

覚えていない 人間は悲しくない?

猫は悲しくないの?

考えるワケがないんだ だから悲しいのは人間の頃の記憶だと思う

人間だって楽しいこともうれしいこともあるよ

たとえば?

うんと美味しいものを食べるとか

それはぼくらもわかる

暖かい陽射しにからだがほころぶ

それはぼくらのほうがもっとわかる

いろんなところへでかける

ああ、野良猫だからぼくはわかるよ

でも外国とかむりだろう?

ちょっと足をのばせばおなじことだと思うよ

んんと、じゃあ恋をするとか

なんとなく苦しまぎれみたいだね でもぼくらも恋はしているんだ 悲しくない恋を

だんだんおとこは質問にこまりました

じゃあさいごにひとつ にんげんに生まれ変わるつもりは?

きみが80年生きたら ぼくは7回ぐらい猫としてきみと再会するつもりだよ

ぼくが80年生きたらきみは7回生まれ変わる なんだか悲しいのはどうしてだろう

人間の考えることは悲しいんだ
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by past_light | 2007-04-01 21:05 | ■Column Past Light | Trackback | Comments(0)

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