2005年 02月 26日 ( 1 )

良寛さんのあばら家

 良寛さんは極寒の越後の冬をあばら家のせんべい布団で乗り切ったという。
 ひたすら春の訪れを待ちわびながら・・。
 今夜は腹の底まで冷える・・と、ことに冷え込みの厳しい夜の辛さを詠っている。 足りない米で粥をつくってすすり、そんでもってやがてせんべい布団の中だ、そりゃなんとも想像するのにも気がひける。
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 だからよけいに春の訪れは、それはそれは待ちわびたものだっただろう。そんな季節の待ちわび方、忘れているなぁ・・。
  夏は夏で、アパートまたは下宿にクーラーなんて夢にもなかった頃、クーラーのきいた映画館で、旅する主人公のジャンパー姿に妙に憧れ、やがて映画館を出た時の都会の街の照り返し、むっとする吐き気のような酷暑の中に放り出されて現実に引き戻されたことも、蒸せかえる帰った部屋の地獄絵図・・まあ今ではある意味なつかしいか。

 良寛さんに話を戻すとね。
 春になって弛んだ土の上でのんびりと、誘われるまま子供たちと日長夕暮れまで手毬をついて無心に遊んだそうな。
 時折、村人がそれを白い目で見て通り、「いい大人が」とか「働きもせず」とか「僧のくせに修行もせずに」とか非難しているのを、良寛さんはただ黙ってすまなそうにうつむいたそうな。
 かといって自己嫌悪なんかに陥ったわけじゃない。それはそれだけのこと。
 それだけのこと、というあたりが肝心なんですゥ。

 いろいろ面白い話がある中で、あばら家で寝ている良寛さんのところに泥棒が入った。しかしなんにもとるものがないので、泥棒は怒ったのか、なんと寝ている良寛さんのせんべい布団を盗もうとした。
 図々しくも無理に引っ張って捕ろうとする布団は、良寛さんの痩せたとはいえその重みでなかなかとれない。
 気がついた良寛さんは寝返りをうってとりやすいようにしてあげたそうだ。

 布団をなくしたその後の良寛さんについて史実はあきらかにしていない(泣)。
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by past_light | 2005-02-26 02:29 | ■Column Past Light | Trackback | Comments(0)

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