イル・ポスティーノ

 イタリア映画の「イル・ポスティーノ」は、シチリア島みたいな島の限定郵便配達員と、届け先の滞在する有名詩人の出会いと別れが話の内容だが、詩の誕生の秘密が語られていて楽しい。
(しかし、日本の郵便局の仕事はたいへんですよ。アルバイトの経験から言うと、こんなのんびりしたお話など生まれそうもない。)
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 字もあまり読めるとは言えなかった主人公が、「隠喩」という詩の手法に触れて、詩の誕生を経験する。
 そして島の娘への恋情を綴る恋文というかたちから、彼の詩に目覚める。
 その娘の抱いてもいない肉体の官能を、隠喩でみごとに描くので、手を出したと誤解されて、母親代わりのおばさんから目の敵にされるのがおもしろい。

 彼が島の風景に言葉を与えていくという、詩人の去った後の日々も情緒がたっぷりで胸を熱くさせる。
 この主人公を演じた役者は、彼の最後の映画だとわかっていて出演しているらしいのだが、まったく肩に力の入らない、とても素晴らしい演技だ。

  詩の誕生、詩人の誕生を誰にでも理解できそうなこんな映画というかたちでお話にできた。それはある意味ではちょっと興奮させるものでもあったし、イタリア映画らしい情に満ちた話でもある。
 その情という意味では、「ニュー シネマ パラダイス」みたいに、やっぱりラストシーンは、やや溺れぎみに描いてしまったのは、これはイタリアの国民性かなあとも思うけれど、素敵な映画でした。
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Tracked from 『空と二人とちゅら玉と』 at 2005-01-26 21:00
タイトル : 「イル・ポスティーノ」
「ニューシネマパラダイス」と並んでとても心に残る映画 こんなに美しい映画はそうはないだろう、 音楽が美しい、 詩が美しい、 海が、島がうつくしい。 そして音を集めるシーン、 とても言葉に言い表せない感動 映画撮影直後に他界したマッシモ・トロイージ、 あなたに大きな拍手を贈りたい!... more
Commented by acoyo at 2004-11-11 11:06
ニューパラはもう、途中からだだ甘ーっとパス状態になりましたが、
こっちは好きでしたね。
やっぱり「学ぶ」ということと「言葉」というのが前に出ていたからかもしれません。
Commented by past_light at 2004-11-11 20:54
ニューパラ・・というとなんだかバブルな時代の踊りみたいですね(笑)。

「学ぶ」って運命的自主的巡り逢いなんですね。
Commented by acoyo at 2004-11-11 23:40
>「学ぶ」って運命的自主的巡り逢いなんですね

いい言葉ですね。
by past_light | 2004-11-11 02:18 | ■主に映画の話題 | Trackback(1) | Comments(3)

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