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「エル・スール」ビクトル・エリセ
 「エル・スール」を観る。三度目か、四度目。
 前作「ミツバチのささやき」が13年前の衝撃の出会いだった頃、次を期待して観たエルスールは、「ミツバチのささやき」ほどには、その頃の気持ちにぴたりとは来ないものではあった。しかし2度めそして3度と至って、見直せる映画と言うのはそう多くはない。
 だんだんと、この映画の深さ・凄さのようなものが、ひしひしと伝わってくる。

 これは年齢を重ねたせいもあるが、この映画のより深い密度にこちらが感応するようになったともいえるのだろう。
 それになんといっても、父親の気持ちが痛いようにわかるような気がするのも、良くも悪くも大人の精神構造がすっかりでき上がってきているともいえるのかもしれない。

 思えば、亡くなった作曲家の武満徹が感動したという、濃密な心理の描き方も、当所ぼくには、もうひとつ伝わらなかったような気がしたが、それは「ミツバチのささやき」にあまりに入れ込んでいたせいでもあり、客観性を失っていたということかもしれない。

 今では、ミツバチとはやや次元の違う人間的精神風景であるが、この深さが良く解る。(1999年記述のち修正)

★リンク-「ビクトル・エリセの三本についてのノート」(別ウインドウで開きます)
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by past_light | 2004-10-06 01:21 | ■主に映画の話題 | Trackback | Comments(5)
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Commented by acoyo at 2004-10-06 20:31
エリセは私も『ミツバチのささやき』症候群で、後の2本はどうも。当時、友人とため息つき合ったの覚えてます。で、アンゲロプロスに走りました(関係ないか)
今、観返すと面白いかもしれませんね、確かに。
Commented by past_light at 2004-10-08 02:32
acoyoさん、アンゲロプロスに走れるのでしたら、けっこう長丁場に強いですね。
ときどき、フィルムの長さが心配になるぐらいの人ですね。(笑)
場の力、あの人は腰の座った人ですね。
Commented at 2004-10-08 12:08
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by nobaranomura at 2004-10-11 14:00
はじめまして
ミツバチのささやき、今度見ようとおもっています。
もう色がきれいだなーと思いました。
大学の視聴覚室にあるようです。
Commented by past_light at 2004-10-12 00:48
nobaranomuraさん、はじめまして。

視聴覚教室に、いい映画がたくさんありそうですね。
そういう環境、とってもうらやましい。
ぜひっ、くだけていえば無料公開、この恵まれた青春をぜひ後悔なきように(笑)、また御感想などお聞かせいただけるとうれしいです。