2006年 03月 03日
二、三年のあたま
総合テレビ:3月3日(金)午前0時15分〜(3月2日 木曜深夜)
千葉県君津市の郊外で毎日元気に畑を耕す齋藤けさ江さん。貧しさのなか小学校も満足に通えなかったが、今、彼女の生み出す書画は多くの人々をひきつける。自分の畑でつくる作物の様に新鮮で力強い書画が生まれる感動の日々を追う。
http://www.nhk.or.jp/ningen/
という番組を観た。
このおばあちゃんにすっかり魅了された。
天然のユーモアの極地なひとで、まあユーモアだなんて認識して自ら笑っている人ではないんだけど、口調が志村ケンのばあちゃんにそっくりなのも幸いして(笑)か、聞いているだけで楽しくなる。
日々楽しみの畑仕事の帰りに通る石碑のところで、「ありがとうございました、かみさま」といつもご挨拶するのが習慣なんだけど、あるとき「あら通り過ぎちゃってすみませんね」ていうところなんかウチでは大受けしてしまった。
おばあちゃの書も書画も、その無垢さ溢れるのびやかさにびっくりしたが、おばあちゃんは書を始めるのには最初はかなり躊躇したそうだ。
亡くなった再婚の旦那さんが書家で、その机に向かう姿を仰ぎ見ていて(それは憧れのようなものか)、小学校もまともに行けず字も歳を取るまで覚える暇もなかった自分とは、世界の次元の違うものだと思っていたのだろう。
当時のおばあちゃんの手紙にあった文章に、とても心が動かされる文があった。
「おとうさんに気づまりなおもいもさせたとおもいます。わたしは二、三年のあたまですから・・」
旦那さんの生前は辛い思いもあった夫婦関係だが、書をはじめる決心がついたきっかけは、夢にでてきた旦那さんが「太い筆でお前らしくやればいい」とアドバイスされたからだと言う。
できの悪い野菜ばかりのこの年、抜いたダイコンが痩せて変なかたちばかり。
一本のダイコン、まるで足を広げた人間の下半身みたいな奴を抜いて、くすくす笑いが止まらないばあちゃん。
帰って、さっそく書画にする。
近所の人が「なんだい赤いダイコンかい」と絵を見て挨拶して行く。寝転んでばあちゃんは「ヘヘッ」て感じだ。
なんで赤なのかと尋ねると「白いダイコンじゃ紙が白だから描けない」と傑作な応えだ。
ばあちゃんの描く野菜にはすべて根っこがある。・・根っこがなかったら紙のうえでも(笑)育たない。
最後にテロップが流れる。
※齊藤けさ江さんは1月14日に92歳で逝去されました。
日本のターシャばあちゃんは、腰が曲がっていても、土着的で笑いの絶えない素敵な最高に元気で幸せなおばあちゃんでした。
これは再々放送されたら、ぜひまた観たい。ぜひ御覧されたし。
追記・ちよっとお名前で検索したら、けっこうたくさんありました。↓
例の赤いダイコンがあります
ニュース記事です。↓
www.mainichi-msn.co.jp
mytown.asahi.com
★けさ江さん、ちよっと続きです
Tracked
from LOHAS GROOVE
at 2007-05-26 14:47
Commented
by
bs2005 at 2006-03-03 03:22
いいお話ですねぇ!テレビジャパンでこれからの放送だったら、是非見たいです。ご紹介有難うございます!
0
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by
past_light at 2006-03-03 04:21
by past_light
| 2006-03-03 03:16
| ■コラム-Past Light
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