伊豆の踊子の至福

 現代日本ではもう絶対と言ってよいだろう、ありえないような「初恋」という話なのだな、「伊豆の踊子」っていうのは。

 元旦につけて途中から観た映画。この話は何度も何度も映画にされている話のひとつだが、吉永小百合さん十代の出演作は、多分歴代女優その中でももっともはまり役だっただろうと思う。
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 十六になる踊子はまだまだ無邪気で幼いが、自らのその人生の宿命的な行き先を時折かいま見せられる。そのつきまとう影がよけいに現在の初恋の高揚感を輝かせている。
 現代では身分による宿命的な関係の絶望感などと言うのは取りあえずない。それでも多くの人は共感し自らの初恋の記憶をたどることだろう。けして時間の中に永遠を求めることの叶わなかった初恋の記憶を・・。

 旅芸人の一家、そのおさない踊子の短い旅の道中の淡い思い、そして幸福感の美しさははかり知れない。はかり知れないから切ない。切ないから貴い。

 安吾の「恋は人生の花だ」というのがとてもうなずける気持ちにさせられるなあ。
 思えば、ぼくが踊子や書生と同じ年だったら、悲しくて反逆したくて仕方なかったような話なんだが(-||-;。
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by past_light | 2005-01-03 18:14 | ■主に映画の話題 | Trackback | Comments(0)

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