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「天然コケッコー」 監督:山下敦弘
 原作のことも知らず鑑賞した者としては、比較する理由もないので、ひたすら一編の映画として観る。
 まだ少年と少女たち、年下の子供たちと席を並べての田舎の学校生活。その来ては去る四季、自然と共にあることの恩恵、そこに日々彩られていく物語。それは実に楽しくさわやかな情緒を残して記憶されていく映画ということにつきるだろう。
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 今更ながら言いたくなる、都市生活で得られることの叶わない、季節とともに移り変わりゆく住民たちの出来事、そこに暮らす人たちのスローペースな心模様、ぼくらがそれをじっくり味わいつつ、人が毎日なにげなく生活することの贅沢をも思い出させもする。

 設定や題材としては、それほど新しいとか斬新とか、そんな部類ではないのだ。が、主人公の少女のナチュラルな存在感が、切ないほど観客の胸に寄り添ってくる。彼女が周りの愛すべき人たちと共に生活する時間のかけがえなさ、愛しさと懐かしさ。それに初恋の記憶のようにぼくらが熱く思いを辿るのは、少女のその等身大の視線が、普遍的にぼくらの心の内奥にある故郷としているものに通じているからである。
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by past_light | 2010-06-02 00:55 | ■主に映画の話題 | Trackback | Comments(0)
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